編集者メッセージページ
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率直に言って、感動しました。とりわけ、「うちは二人家族で 弟もさみしい思いしてるかも知れないから」「良かったら仲良くしてやって」というお姉さんの心情が初めてわかるシーンから、ページをまたいで三雲くんを抱きしめるシーンまでは圧巻の一言です。(再読した際には折り畳み傘を渡すところで涙腺がもうダメでした)
巧妙なミスリードの後にやっと三雲くんのお姉さんへの想いが明かされ、恋愛・性愛にあたる感情の方に読者の注目がいっているからこそ、不意打ちでさらに広く深い家族愛を見せられるとお手上げでした。
「からっぽのアイネ」や過去作品も拝読いたしましたが、元々高かった画力がどんどん磨かれていることに驚くとともに、全作品を通して、微妙な表情の描き方を通してキャラクターの気持ちを想像させる力と、見開きの使い方に高いセンスを感じました。
遅ればせながら担当希望も出させていただきます。
ヤングアニマルには「ヤングアニマルZERO」という隔月刊の増刊があり、掛け持ちでの連載は目指しやすいかと思います。お手数ですがラインナップを見ていただくと伝わるかと思いますが、ヤング誌的な男性向けに限らず幅広い作品があり、こういった青春群像劇にも十分チャンスがあるかと思います。
とにかく好きな作品でしたので、これを描かれた方がこれからどんな物語を生み出そうとしてくださるのか、もしお話ができましたらうれしく思います。
どうぞよろしくお願いいたします。2021/09/01 21:02 -
要所要所でキャラクターの表情に力があり、目を引きつけられました。表情からしっかりと考えていることが読み取れる表現力というのは、素晴らしい武器だと思います。お互いに「禁じられた想い」を抱えた男女の気になる関係に、最後までドキドキしながら読みました。折山さんの「こういうドラマが描きたいんだ!」という想いが伝わてくる、よい読み切り作品だと思いました。
一方で、三雲と風花の姉への「想い」をもう少し掘り下げてもよかったかもしれません。エピソードではなく「好き」という言葉でしか表現されていないため、彼らの関係の”がんじがらめ感”が薄いのは勿体なく感じました。
ラストシーンで三雲は自分のことを「気持ち悪い」「お天道様を拝めない」と自虐していますが、読者視点ではそこまでキモいやつには見えていなかったため、この告白には置いてきぼり感を覚えました。どのくらい姉を愛しているのか、どれくらい姉を想っているのか、その「気持ち悪さ」を読者は見せてもらっていないからです。
もし家族愛の延長で「好き」ということであれば、それほど深刻な話ではないようにも感じます。風花も同様に「好き」の度合いがどのレベルなのか伝えていただけると、より緊張感のあるお話になったのではないかと思います。
それと細かいところですが、姉の年齢設定が気になるところです。最初は大学に合格して上京するという誤読をしておりまして、最後24歳ということが判明して就職だったのか! となりました。三雲が高校生だとすると、結構歳の差がある姉弟なのですね。
いやいや、しかしそうなると風花が制服姿の姉に告白するシーンは一体いつなんだ!? という疑念が生じてしまいまして…。
些細なことですが、設定に辻褄が合わない部分が見えてしまうと途端に没入感が削がれてしまうので、注意が必要なところかと思います。
この度はご投稿いただき、ありがとうございました!2021/09/01 20:29 -
連載でお忙しい中ご投稿くださりありがとうございます。
圧巻のクオリティですね…!
仮面カップルで冷たい関係だったのが、実は同じ人に失恋した者同士で…三雲の気持ちが分かってからページを進める手が止まりませんでした。
報われない恋を抱えながら前を向く主人公たちを応援したくなる、苦いけど爽やかな後味が印象的な作品でした。
風花が三雲の気持ちに気づく瞬間や、彼女が涙する場面など、エモーショナルなシーンの度にあまりの切なさに情緒をかき乱されてしまいました。
キャラの感情とリンクする背景もなんと美しいことか…。流石の技量に舌を巻くばかりです。
瑞々しい演出と絵でキャラの感情を描くことで、重く苦い場面でもどこか美しさを感じることができるのが折山さんの強みだと思います。
今後描いていきたいとされている青春群像劇にも、これが発揮できれば面白いものが描けるのではないでしょうか。
ヤンマガでは月刊ペースでの掛け持ち連載も可能ですので、よろしければ今後について詳細を伺えますと幸いです。
ご検討のほど何卒よろしくお願いいたします!2021/09/01 08:58
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