公式お知らせ

それはDAYS NEOから始まった #16 『龍とカメレオン』石山諒先生×担当編集座談会 (2023.04.12) マンガ

  • ツイート
  • ツイート
  • LINEで送る

 

マッチング型マンガ投稿サイト「DAYS NEO」から連載に繋がった作者の作品を紹介する「それはDAYS NEOから始まった」、第16回!

 

今回は2022年5月にスクウェア・エニックス ガンガンJOKER編集部・樋口(以下、樋口)とマッチングし、2022年10月からガンガンJOKERで『龍とカメレオン』を連載中の作者・石山諒(以下、石山)さんにインタビュー。

 

「マッチングから5ヶ月での連載開始」はDAYS NEO史上最速(運営チーム調べ)! 石山&樋口両氏をお招きし、ふたりの出逢いから連載開始まで、そして連載作『龍とカメレオン』について語っていただきました。

 

作品紹介


『龍とカメレオン』 石山諒
©Ryo Ishiyama/SQUARE ENIX

累計発行部数1億5千万部超えの天才漫画家・花神臥龍。
彼を病的に羨む無名漫画家・深山忍。
不慮の事故により二人の身体が入れ替わってしまい――!?
己の身体と矜持を懸けて、二匹の漫画家が激突する!!
実力派作家・石山諒が描く、超絶怒涛の漫画家バトル!!!

 


単行本 第①巻、4/21(金)より発売開始!
詳細は こちら からチェック!

 

 

『龍とカメレオン』チームの紹介


作者:石山諒
兵庫県出身。2014年に週刊少年ジャンプにて『三ツ首コンドル』で連載デビュー。
集英社にて『歪のアマルガム』・『ONE PIECE episode A』(ネーム構成担当)を連載。
その後、2022年10月よりガンガンJOKERにて漫画家バトル『龍とカメレオン』を連載スタート。

 


担当編集者:ガンガンJOKER・樋口
『龍とカメレオン』担当編集者。新潟県出身。現在8年目。
担当作は『渋谷金魚』『はじめての諏訪さん』『ポラリスは消えない』他。

 

 

DAYS NEOから連載になった知り合いの話を聞いて、自分も使ってみようと思った

 

— 「DAYS NEOから始まった」のインタビュー、よろしくお願いいたします。石山さんは他誌での連載経験もおありですし、もしお話できないことなどあればご遠慮なくNG出してください!

 

石山よろしくお願いします。特にお答えできないことはないと思うので、なんでも聞いてください(笑)。

 

樋口取り上げていただいてありがたいです!よろしくお願いします。

 

— それでは早速、DAYS NEOをご利用いただいた理由を教えてください。

 

石山DAYS NEOでマッチング&連載になった知り合いがいたからです。ちょうど以前連載していた出版社との専属契約が終了したタイミングだったので、自分も使ってみようかなと思いました。

 

樋口お知り合いってどなたですか?

 

石山『忍者と極道』の近藤(信輔)さんです。とってもパワフルな人です(笑)。

 


『忍者と極道』/近藤信輔はコミックDAYSにて連載中!

 

— ご投稿いただいたのは2022年5月。スクエニさん各誌がDAYS NEOに加入された直後でしたが、このことはご存知だったんですか?

 

石山いえ、知りませんでした。その意味でもタイミングはバッチリでしたね。

 

「連載に向けた想いが一致したこと」がマッチングの決め手

 

— 樋口さんは、なぜ『龍とカメレオン』を読み、担当希望を出されたのですか?

 

樋口さきほど話が出た通り、5月は我々がDAYS NEOに加入した直後でした。「作家さんと出逢うために一番欲しかったサービスだ!」と思って投稿作はほとんど読ませていただいたのですが、石山さんの『龍とカメレオン』についてはネームがとにかく面白かった。もしDAYS NEO以外であのネームを読んだとしても声をかけさせてもらったと思います。

 

— 確かにあの投稿作(ネーム)は本当にスゴかったですよね…。石山さんにとってのマッチングの決め手、樋口さんを担当編集者に選ばれた理由はなんだったのでしょうか?

 

石山「『龍とカメレオン』で連載をしたい」と強く想っていたのですが、樋口さんはその想いに対して前向きなメッセージをくれたんです。それが決め手ですね。

 

樋口本当に面白い作品だったので、ネームを拝読した時点で自分も『龍とカメレオン』なら間違いなく連載を目指せる、目指したい!と思っていました。メッセージにもその気持ちを込めたのですが、しっかり熱意を汲み取っていただけたようでありがたいです(笑)。

 


2022年5月4日、DAYS NEOに投稿された『龍とカメレオン』のネーム
ネーム→完成原稿の華麗な変身は単行本第①巻で要チェック!

 

DAYS NEOのメッセージ通り、誠実な編集者だった

 

— マッチング後、初めておふたりで話したときの第一印象はいかがでしたか?

 

石山DAYS NEOのメッセージの時点で、ものすごく丁寧な感想を、ものすごく長文でいただいていたので、話す前から誠実な方なのかなと思っていて。実際に話してみたら、やっぱり誠実な人でした(笑)。LINEや電話でもすっごい褒めてくれるんです。

 

樋口少し被ってしまうのですが、僕も「漫画に対して誠実な方だなぁ」と感じました。コミュニケーションも丁寧だし、先々の展開まで考えたうえで漫画を面白くするための情報を得ようとする姿勢もお持ちで。同年代だから好きな漫画も近しいものが多くて、その意味でもすごくやりやすかったです。

 

— おお…そんなステキな出逢いをご提供できたなら、DAYS NEOとしてありがたい限りです。ところで、いつもはどんな風に打ち合わせをしているんですか?

 

石山直接お会いして打ち合わせすることが多いですね。1ヵ月に1回くらいはご飯を食べながら今後の展開についてガッツリ話しています。この話を踏まえてネームをつくって、電話でやり取りをする…って具合に進めてます。やっぱり構想の段階では直接会って話せたほうがありがたいですね。

 

樋口これはどちらが言い出したとかではなく、なんとなくそういう流れになりましたね。お互いのやりたいこと、進め方の好みが合致していたというか。

 

石山会いたいし、ご飯も食べたいですし(笑)。

 

— なんだか楽しそうな打ち合わせですね(笑)。直接会った時はお仕事の話が中心ですか?

 

石山仕事とそれ以外の話が半々くらいだと思います。

 

樋口昔読んだ本とか、エンタメの話をする時間も長い気がしますね。

 

石山映画とかも有名どころ、王道なものはお互いよくみているので、やっぱり話は合いますね。ふたりともワンピース・ナルト・ブリーチが三本柱だったころのジャンプは特に熱心に読んでいたので、その頃の作品の話で盛り上がることも多いです。

 

樋口ジャンプの話はよくしていますね(笑)。

 

マッチングから2ヶ月で連載決定!?

 

— マッチングされてから連載開始までが非常にスピーディだと思います(マッチングが2022年5月、連載開始が2022年10月)。このスピード感はDAYS NEO史上でも最速レベルなのですが、どんな流れで連載に至ったのでしょうか?

 

樋口マッチングした段階で僕も「これは連載にしたい」と思っていたので、すぐに連載会議に提出しました。石山さんが5話くらいまでのネームを既につくってくれていたので、7月頃には連載が決まっていたと思います。

 

石山樋口さんから「連載が決まった!」って連絡をもらった時、実はまだ樋口さんと僕は一度電話したくらいで、直接会ったこともなかったんです。あまりにも早い連載決定だったのでビックリしちゃって。「本当ですか?」って半信半疑でした。スピード感が怖いくらいでしたね(笑)。

 

樋口僕は「あれ、石山さんどうしてこんなに驚いてるんだろう?」って(笑)。ただ、僕も石山さんには驚かされてるんです。初めて電話でお話したとき、いきなり月刊連載で5話分くらいのネームがあがってきて、しかもそれがすぐに連載会議に提出できるレベルのものだったんです。「すぐに連載に向けて動かなきゃ」って思うのは、僕としては当然の流れでした。

 

— マッチングから2ヶ月後には連載が決まるなんて、そんなこともあるんですね…すごい。ガンガンJOKER編集部での連載会議はどんなふうに行われるのですか?

 

樋口ガンガンJOKER編集部の連載会議は定期開催ではなく、編集者が連載案を提出するとできるだけ早いタイミングで会議が組まれる…って流れなんです。編集部の規模が大きくないぶん、フットワークは軽く、スピード感を意識して動けていると思います。『龍とカメレオン』はそんな連載会議で満場一致の評価を勝ち取ったので、ここまでの早さで連載を始めることができました。

 

週刊連載と月刊連載の違い

 

— そういえば、石山さんは月刊連載は初めてですよね? これまでの週刊連載などと比べてなにか変わったところなどはありますか?

 

石山最初はどれだけの時間で作画が終わるのか、ネームの分量とかも全然分からなくて、かなり手探りでやってました。週刊連載の19ページって言われたらスケジュール感も摑めてるので自分のペースで動けてたんですけど(笑)。今は月刊連載ということもあってページ数の自由もきくので、見開きを使ったり色んな表現を工夫させてもらったりしてます。

 

— これまでの作品と比べても、かなり画の雰囲気が変わったなと思います。個人的には特にベタ(黒塗り)の使い方がすごくカッコいいなと思うのですが、月刊連載になって作画にかける時間は増えましたか?

 

石山増えましたね。ページ数も作業時間もこれまでより増えたので、色んなことを試しています。今作から作画をすべてデジタルに変えたのでより一層、表現の試行錯誤がたくさんできるようになりました。

 


インタビュアーがゾクっとした「ベタ」のシーン例。
画面を贅沢に使って深山の”狂気”を迫力満点で描いている。

 

石山さんの経験が、ドラマに説得力を持たせている

 

— 『龍とカメレオン』で「漫画家の連載レース」をテーマにされたキッカケはなんですか?

 

石山以前、マンガ家をテーマに16ページくらいのショート作品を描いたことがあったんです。それはボツになってしまったんですが、ドラマの部分がとても描きやすくて。主人公の心情にスッと入って描けたので、一度腰を据えてしっかり描いてみたいなと思っていました。

 

樋口『龍とカメレオン』はもちろんマンガ家同士のバチバチなバトルも非常にエキサイティングな作品なんですが、4話、5話とネームを読み進めていたら人間ドラマもすごく重厚で。奥行きのある作品だと感じていました。

 

— 確かに、「締切間近の現場」や「打ち切り直前の作品の現場」など、どのシーンも真に迫る迫力…説得力があります。

 

樋口そうなんです。これまでずっと真摯にマンガに向き合ってきて、多くの経験を積まれた石山さんだからこそ説得力をもって描ける「マンガ家の人間ドラマ」があるはずだと思っています。

 

石山そういってもらえると嬉しいですね(笑)。実際のマンガの制作現場にはマンガ家だけではなく、アシスタントさんや編集者も登場します。全員が本気で創作活動に向き合っている。マンガの制作に関わる色々な立場の人の「本気」を描いていきたいです。

 


劇中には様々なマンガ制作の現場が登場する。
石山さんの経験が現場の雰囲気や人間関係に説得力を持たせている。

 

— 主人公・花神は「天才漫画家」ですが、そうなると劇中で登場する「花神の画」に求められる品質は高くなると思います。実際にそれらのシーンはものすごくカッコよく描かれているのですが、どのように研究されているんですか?

 

石山いつもアレコレ考えながら、とにかく試行錯誤の毎日です。良いと思った画はストックとしてメモや写真で保存して、後から見返して分析したり、刺激を受けたりしていますね。「画の密度」は読者にシンプルに「すごさ」を伝えられると思うので、そこには時間をかけています。

 

樋口毎回、原稿をいただくたびに「おお…すごい…!」と思っていたのですが、原稿に対して感想を伝えたり提案をしたときにも、石山さんは「これくらい良くなるだろう」という僕の予想を毎回超えてきてくれるんです。そうやって研究と試行錯誤を重ねているからこそのクオリティなんだな…と、このインタビューで改めて思い知りました。 
 


臨時アシスタント先で主人公・花神が描いた見開きの背景。
石山さんの試行錯誤の積み重ねがこの迫力ある画を生んだ。

 

— 単行本 第①巻の時点ではアナログの現場のみが描かれていますが、今後デジタルの現場も登場するのでしょうか?

 

石山登場させたいと思っています。マンガ制作において今はデジタルが主戦場だと思うので、描かずには通れないなと。人間ドラマをつくるうえで「リアルな場所に人が集まる」というアナログの現場の特徴を活かしたいと思って、デジタルよりもアナログを先に描きました。

 

樋口石山さんも今はすべてデジタルで制作されていますし、アナログ、デジタルどちらの現場についても説得力をもって描いてくれると思います。

 

石山僕がデジタル作画に切り替えたキッカケは、前作『歪のアマルガム』(集英社)の背景を描くためだったのですが、『龍とカメレオン』のために少しずつ練習を重ねてきました。「アナログからデジタルへの移行」をテーマに、マンガ家の努力の過程も描きたいです。

 

— マンガの最前線で挑戦を重ねてきた経験がバッチリ活きているんですね…『龍とカメレオン』を描くうえで石山さんが特にこだわっているところはどんなところでしょうか?

 

石山登場人物の気持ちを読者にも受け取ってもらえるように、と意識しています。ストーリーでもセリフでも画でも、読者の心にグッとくるものが残ればいいなと思っています。さきほど作画の試行錯誤について話しましたが、今はデジタルでレイヤーをわけて作業できるので全部ベタを引いた後に効果線を入れたり消したり、「自分の伝えたいこと」が読者に伝わりやすいような画作りに挑戦しています。

 

お互いの魅力について

 

— それでは最後に、お互いの魅力をお聞きしたく…まずは樋口さんからみた石山さんの魅力を教えてください!

 

樋口一言でいうと、「マンガに懸けてきた情熱と誠実さ」です。それが人間性、作家性の両面で表れていると思います。日本で一番競争の激しい雑誌で連載をして、その後も研鑽を重ねられていて。『龍とカメレオン』も、「マンガでテッペンを取ろうとしている人は全力だ」という前提でつくられている。その誠実さが魅力だな、と感じています。

 

石山おぉ…ありがとうございます…(照)

 

— 面と向かってお互いの魅力を言い合うのって恥ずかしいですよね…ですが、ぜひお聞きしたいんです! 続いて、石山さんからみた樋口さんの魅力を教えてください!

 

石山「ネームや原稿に対しての感想と具体的な褒めポイントを、言葉にして伝えてくれること」でしょうか。とても励みになります。精神的に支えてもらっていますね。マンガの制作はどうしても一人の時間が多いので、描いていて「これで大丈夫かな」「伝わるかな」と不安になることもあります。でも、樋口さんは電話でもメールでもいつも嬉しいことを言ってくれるので力になりますね。

 

樋口打ち合わせで次に会うのが恥ずかしくなっちゃいそうですね(笑)。

 

石山「次も長文で返さなきゃ」ってプレッシャーをかけちゃった気もします(笑)。

 

— とってもステキなお話を聞けました。おふたりとも、本日はお忙しいなかお時間いただきありがとうございました!

 

石山ありがとうございました!

 

樋口ありがとうございました! 『龍とカメレオン』単行本第①巻、4月21日(金)発売予定です。よろしくおねがいします!

 

月刊ガンガンJOKER

「ガンガンJOKER」では、個性豊かな旬の作品を数多く連載中です!!

 

美少女たちの学園賭博譚『賭ケグルイ』、青春ハートフルストーリー『事情を知らない転校生がグイグイくる』、異世界極限バトル『ラグナクリムゾン』、ドキドキのゼロ距離ラブコメ『好きな子がめがねを忘れた』といった多種多様なジャンルの作品がTVアニメ化するなど、ヒット作の間口の広さが最大の特徴です。

 

オンライン持ち込みや漫画賞だけでなく、DAYS NEO上でのお声掛けも積極的に行っております。皆さまのオリジナリティが光るエンタメを、ぜひお待ちしております!!

 

TOP