雪と墨
作品詳細ページ
もくじ
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- 第1話
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公開日:2022年03月08日
★3
編集者メッセージ(新着)
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ご投稿、ありがとうございます!
「美女と野獣」のダークバージョンのような物語に感じました。似合わない二人がお互いの寂しさを紛らわす風景に感動しました。
アドバイスが欲しいと書いてありましたので、恐れながら自分の感じたことをお伝えします。
主人公たちの設定に深みがあり、キャラデザインも良かったですが、内面状態を表す伏線や、お互いの抱えている気持ちのヒントが少なかったように思います。よく言われる「ギャップ作り」ですが、話の半ばからちょっとだけでも優しいところを見せていたら、雪の中の感動的なシーンの説得力が強くなっていた気がします。
また、アンナは我慢し、ずっとポーカーフェイスですが、どこかで自分の中にマグマのように渦巻いている怒りを読者に感じさせてくれたら彼女への共感度が上がっていたかもしれません。表情を描くのがお上手なので、その才能を思う存分生かして欲しいですね。
絵柄は安定しており、ストレスなく読めました。藤田和日郎先生のキャラのように、ネネオの目に線がくるくるしているところがいいですね。個性が出ますし、狂気もよく表現されています。彼が熱を出し「あなただけは優しい」と言っているコマの切ない表情でもこの目の力で胸がいっぱいになりました。
決め台詞や決めポーズ(ネネオのキックやネネオが激怒し、アンナを押し倒すところなど)には見開きを使ってでも、より大きいコマで描いたら更に印象的な場面になると思います。一箇所か二箇所目がとどまるところを用意すると話の記憶がより長く残ります。背景はちゃんと入っていたので大体雰囲気が伝わっていましたが、より細かく描き込んだ方が世界観が伝わり、この世界に読者を引き込むことができます。
長文になりましたが、本当に面白い短編だったので、これからも色々な話を描いて頂きたいと思います。このようなファンタジー感のある人間ドラマはフランスで人気のジャンルなので、もしよかったらお話してみませんか?弊社はフランスの漫画出版社で、東京にオフィスがあります。今後どういうストーリーが描きたいのかについて、是非聞かせて頂きたいと思います。
どうぞよろしくお願いします!
2022/03/15 15:17 -
ご投稿ありがとうございます!
SNSで拝読して、なんて心を揺さぶれられる物語なんだろうと感動した作品でしたので、ここでこうしてメッセ―ジをお送りできる機会に恵まれて嬉しく思います。
(そしてDAYS NEOで読んでもやはり感激しました!)
この作品は絵の持つ表現力が、まずすごいと思います。読んでいて思わず主人公の2人と同じ表情にさせられてしまうほどの吸い寄せられるものがあります。それに雪がとくに象徴的ですが、細やかに描き込まれた背景だったり小物が、時に雄弁に語っているのが、なかなかできることではないと感心しながらも拝読しました。
内容に関しても、歪な2人の人間が組み合わさったことで自分では埋められなかったお互いの隙間が埋まっていく展開は、ネネオの視点で読むととても骨太な青年漫画のライフストーリーですし、ギブソン家の令嬢の視点で読むとどこか丁寧に心情を紡いだ少女漫画のラブストーリーのようにも思えて、稀有な読み味の作品だという印象を持たずにはいられません。
あとは国も時代も違うし、そもそもフィクションなのですが、この作品で描かれていることは、抑圧された環境によって人が抱える生き辛さだと感じましたので、とても今の時代の多くの人達に訴えかけるリアリティも感じました。
漫画や映画、小説、物語をたくさん摂取なさって、それを血肉にされてきたんだろうなというのも、この一作で伝わってくるものがありますし、アドバイスをお送りさせていただくのなら、漫画を描くというのは時間もかかることで、今の時代商業じゃなくても漫画を描いて届ける方法も少なからずありますが、みゆきさんほどの才能をお持ちの方には、漫画編集としてはぜひ読切に留まらず、続く物語も描いてみてほしく思いますし、自分としてはこの2人にはこの先まだまだいいことも、もしかしたらそうでないことも待ち受けているような気がして、それをぜひ描いてみてほしいとも願っています。2022/03/09 02:03 -
主人公がしっかりイケメンだし、お嬢様がしっかり美人。嫌味にならない美男美女を描けているのが素晴らしいです。多くの人に受け入れられやすい絵柄だと思いました。
ストーリーは、やや予定調和を感じました。二人の信頼関係が、最初からある程度構築されているように思ったからでしょうか。出会った当初は、ネネオがもっと警戒心丸出しでもよかったのではないかと思います。二人の溝が深ければ深いほど、最後に心が通じ合うシーンが感動的になるはずです。ネネオが人殺しとなった理由もおおよそ予想通りで、ここにもミスリードの演出がもう一押し欲しいところでした。
そして細かいですが、一つ設定について指摘させていただきます。それは「この世界の法制度に現実味を持たせてほしかった」という点です。これはネネオの「罪」に現実感を与えるのと同義です。何を言いたいのかというと、ネネオの言い分が本当なら、世間からここまでひどい扱いをうけるような法制度には欠陥を感じますし、大量殺人犯をお金で買えるシステムも何かがおかしいと感じます。
結果的にこの世界が作り話のように感じてしまい、物語への没入感を削いでしまっているのは残念でした。魅力的なキャラクター、関係性が描けているだけに、そこが大変勿体ないと思った次第です。
アドバイスをご希望ということで担当は欲していらっしゃらないのかもしれませんが、担当希望を出させていただきます。
この度はご投稿いただき、ありがとうございました。2022/03/08 23:24
編集者メッセージ(いいね)
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主人公がしっかりイケメンだし、お嬢様がしっかり美人。嫌味にならない美男美女を描けているのが素晴らしいです。多くの人に受け入れられやすい絵柄だと思いました。
ストーリーは、やや予定調和を感じました。二人の信頼関係が、最初からある程度構築されているように思ったからでしょうか。出会った当初は、ネネオがもっと警戒心丸出しでもよかったのではないかと思います。二人の溝が深ければ深いほど、最後に心が通じ合うシーンが感動的になるはずです。ネネオが人殺しとなった理由もおおよそ予想通りで、ここにもミスリードの演出がもう一押し欲しいところでした。
そして細かいですが、一つ設定について指摘させていただきます。それは「この世界の法制度に現実味を持たせてほしかった」という点です。これはネネオの「罪」に現実感を与えるのと同義です。何を言いたいのかというと、ネネオの言い分が本当なら、世間からここまでひどい扱いをうけるような法制度には欠陥を感じますし、大量殺人犯をお金で買えるシステムも何かがおかしいと感じます。
結果的にこの世界が作り話のように感じてしまい、物語への没入感を削いでしまっているのは残念でした。魅力的なキャラクター、関係性が描けているだけに、そこが大変勿体ないと思った次第です。
アドバイスをご希望ということで担当は欲していらっしゃらないのかもしれませんが、担当希望を出させていただきます。
この度はご投稿いただき、ありがとうございました。2022/03/08 23:24 -
ご投稿ありがとうございます!
SNSで拝読して、なんて心を揺さぶれられる物語なんだろうと感動した作品でしたので、ここでこうしてメッセ―ジをお送りできる機会に恵まれて嬉しく思います。
(そしてDAYS NEOで読んでもやはり感激しました!)
この作品は絵の持つ表現力が、まずすごいと思います。読んでいて思わず主人公の2人と同じ表情にさせられてしまうほどの吸い寄せられるものがあります。それに雪がとくに象徴的ですが、細やかに描き込まれた背景だったり小物が、時に雄弁に語っているのが、なかなかできることではないと感心しながらも拝読しました。
内容に関しても、歪な2人の人間が組み合わさったことで自分では埋められなかったお互いの隙間が埋まっていく展開は、ネネオの視点で読むととても骨太な青年漫画のライフストーリーですし、ギブソン家の令嬢の視点で読むとどこか丁寧に心情を紡いだ少女漫画のラブストーリーのようにも思えて、稀有な読み味の作品だという印象を持たずにはいられません。
あとは国も時代も違うし、そもそもフィクションなのですが、この作品で描かれていることは、抑圧された環境によって人が抱える生き辛さだと感じましたので、とても今の時代の多くの人達に訴えかけるリアリティも感じました。
漫画や映画、小説、物語をたくさん摂取なさって、それを血肉にされてきたんだろうなというのも、この一作で伝わってくるものがありますし、アドバイスをお送りさせていただくのなら、漫画を描くというのは時間もかかることで、今の時代商業じゃなくても漫画を描いて届ける方法も少なからずありますが、みゆきさんほどの才能をお持ちの方には、漫画編集としてはぜひ読切に留まらず、続く物語も描いてみてほしく思いますし、自分としてはこの2人にはこの先まだまだいいことも、もしかしたらそうでないことも待ち受けているような気がして、それをぜひ描いてみてほしいとも願っています。2022/03/09 02:03 -
ご投稿、ありがとうございます!
「美女と野獣」のダークバージョンのような物語に感じました。似合わない二人がお互いの寂しさを紛らわす風景に感動しました。
アドバイスが欲しいと書いてありましたので、恐れながら自分の感じたことをお伝えします。
主人公たちの設定に深みがあり、キャラデザインも良かったですが、内面状態を表す伏線や、お互いの抱えている気持ちのヒントが少なかったように思います。よく言われる「ギャップ作り」ですが、話の半ばからちょっとだけでも優しいところを見せていたら、雪の中の感動的なシーンの説得力が強くなっていた気がします。
また、アンナは我慢し、ずっとポーカーフェイスですが、どこかで自分の中にマグマのように渦巻いている怒りを読者に感じさせてくれたら彼女への共感度が上がっていたかもしれません。表情を描くのがお上手なので、その才能を思う存分生かして欲しいですね。
絵柄は安定しており、ストレスなく読めました。藤田和日郎先生のキャラのように、ネネオの目に線がくるくるしているところがいいですね。個性が出ますし、狂気もよく表現されています。彼が熱を出し「あなただけは優しい」と言っているコマの切ない表情でもこの目の力で胸がいっぱいになりました。
決め台詞や決めポーズ(ネネオのキックやネネオが激怒し、アンナを押し倒すところなど)には見開きを使ってでも、より大きいコマで描いたら更に印象的な場面になると思います。一箇所か二箇所目がとどまるところを用意すると話の記憶がより長く残ります。背景はちゃんと入っていたので大体雰囲気が伝わっていましたが、より細かく描き込んだ方が世界観が伝わり、この世界に読者を引き込むことができます。
長文になりましたが、本当に面白い短編だったので、これからも色々な話を描いて頂きたいと思います。このようなファンタジー感のある人間ドラマはフランスで人気のジャンルなので、もしよかったらお話してみませんか?弊社はフランスの漫画出版社で、東京にオフィスがあります。今後どういうストーリーが描きたいのかについて、是非聞かせて頂きたいと思います。
どうぞよろしくお願いします!
2022/03/15 15:17