これは力作ですね。
カンタという不可知の存在について、この作品世界では実在しているのだとしっかり腹をくくって描ききったのはよかったと思います。

ただ気になる点はありました。

・いちばん肝心のカンタが見えなくなる瞬間が分かりにくかったです。ただ見えなくなるだけなのか、見えなくなると物理的に干渉できなくなる（だから落下する）のかも分かりません。後者だとするとラストシーンとの整合性もつかないし……と悩んでしまいました。

・10年間かけてカンタとの関係を築いたのに、結局カンタとは何者か、どういう目的の存在なのかについて突っ込んで話していないのは不自然に思えました。合格後の会話であわてて設定が消化されたように見えたのです。

とはいえ、2021年3月11日にこの作品が投稿されたことの意味は大きいと思います。
「地球に殺された」人々の記憶を持つ、1人でも多くの人に読まれるよう、コメントを残しておきました。
ご投稿、ありがとうございました！