編集者メッセージページ
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僕も祖父がシベリアに抑留されていたことがあり、かなり感情移入しながら読ませていただきました。(もうだいぶ前に亡くなりましたが)
あまり感情を表に出さないノブが最後に涙するシーンは凄く良かったです。「日本に帰る」ということが、彼にとってどれだけ大きなことだったのかを感じることができました。
また会話がすごく自然で、当時本当にこんなことを話していたのかもしれないなーと、ついつい思いを馳せてしまいました。細かいですが、タバコの伏線を回収しているのも素晴らしいですよね。
既にノンフィクションとしての完成度は高いと思います。しかしその上でさらにノブの涙のシーンの価値を上げるとすれば、序盤~中盤の辛いシーンをもっと掘り下げるという手もあるかなと感じました。
祖父から聞いた話ですが、抑留中は「寒すぎて一緒に作業していた奴の鼻が突然もげたりした」みたいなこともあったそうで、現時点でも十分辛い内容なのですが、当時のシベリアでしか起き得ないことが入ってたりするとさらに良さそうですよね。
プロレタリア文学の『蟹工船』とかは“過酷な環境”の描き方として良い参考になると思います。
読者が一緒に「うわーこんな環境絶対イヤだわ…」と思えるように描けると、最後のノブの感動もさらに共有しやすくなると思います。
長文失礼しました!
またのご投稿お待ちしております。2019/02/16 00:28