なんか状況が大きく変化できなくても、気持ちの変化で世界の色は変わるんだなというのを漫画でみせてもらえたなという感じがしました。

きちんと真摯に重さを手に持って描いているところと、「あはっ」ってできる意図的な軽さを描き出しているところなど、バランスもよかったです。

少し昔の作品ではあるので、最近の作品も読んでみたいなと思いました。
絵柄が少し固めだったので、感性としての豊かさが絵というか画面にも宿るとなおいい気がします。

ディストピアものなのに爽やかな読後感がありました。
大きな嘘を敷きつつも、それに引っ張られることなく(説明が最小限で)、
人間と人間の交流をメインに据えた点が素晴らしいです。
こういう「小さな大事件」を丁寧に紡ぐことを続けていただければと。
何か大きな物語が始まる予感さえする読み切りでした。
良いものを読ませていただきました、ありがとうございます！