隣の紀陽さんへのメッセージ

面白いです！
キャラクターの感情の動きと情報の出し方がいいバランスで出ている、いい漫画ですね。
相当に練り込んで作られたように感じました。

ただ、最初に毒を吐いてくれた紀陽さん、ここからどんな毒を吐いて楽しませてくれるのかと思ったら、そんなことのない人間関係不器用なだけの人として描かれていたのには、少しもったいない思いをしています。

他人とかかわりたくなかったのに、やむにやまれず「そのくらいでDIYとか」発言をしてしまった……という背景が描かれているわけでもなかったので、この発言はただ「ツカミ」のためだけに用意されたのだろうか、だとするとキャラがブレてしまっているなあ……と思ってしまったのです。

登場人物の行動原理を固めたら、そこがどう魅力的に見えるかを考えるのが、漫画作りの基本的なところだと思います。本作ではそのあたりはがんばってクリアされているのですが、商業的成功を狙うならその先、その行動原理が変容する瞬間をどうやって見せるか、というところまで挑んでほしかったです。

まとまったページ数のストーリー漫画やWebTOONなど、一画面あたりの提示できる情報が少ない形式で、どこまでネタを絞り込んでそういったところを見せられるのか、私としては楽しみにしていきたいいと思います。

力作のご投稿、ありがとうございました。