泡狂いへのメッセージ

依存とはなぜ起きるか、という本質に迫ったような漫画で、面白く読みました。

欲望に負けた人が、その人用にカスタマイズされたアイテムで破滅してしまう……という話は、『笑ゥせぇるすまん』を引き合いに出すまでもなく、やり尽くされた感がありますが、本作は主客転倒させるオチでオリジナリティを出せていると思います。
ただ、この嬉しくなさすぎる構成は繰り返しの利用に耐えられないだろう、とも思います。

前作『酔闇』も面白く拝読しましたが、人を破滅させる展開作りに手応えを感じておられるならば、それを読者のカタルシスにつながるよう、キャラクター作りを考えていただけたら幸いです。
もちろん、あからさまな勧善懲悪では厳しいでしょう。ですがほかにも「描きたいこと」と「読者のカタルシス」をつなげるやり方はいろいろあるはずで、ぜひ研究を重ねてください。楽しみにしています。