舞台はとある大学。
淑女ながらも特撮映画を撮ると言う野望を抱いたヒロインが
元特撮スタッフの大学守衛の主人公と出会ったことで動き出すストーリー。



元々某青年誌にて連載を前提に打ち合わせしつつネームを制作し、
編集部チェックなども通っておりましたが読み切り掲載直前に
編集長の移動などもありお流れ状態になっていたネームが元です。

元は上記の雑誌の路線に合わせた比較的高年齢層を意識した物でしたが、
今回ヤング誌に向けに新たに練り直して再構成したネームがこちらとなっております。



日本における特撮の歴史は時間、予算、人手の不足等の制限のなかどう
「存在しない映像」を実現するかを目指した努力と工夫とチームワークの歴史でもありました。
例えば『キングコング』のように人形アニメでモンスターを作ろうとすると莫大な時間を有するため
着ぐるみを役者に着せて表現しようと言う発想から『ゴジラ』が産まれ怪獣映画と言うジャンルが産まれたのが良い例でしょう。

そのため「学生」と言う未熟さや金銭の不足等と言うある意味で制限ある立場とは非常に相性が良く。
皆でミニチュア、合成、撮影、着ぐるみ等の様々な要素を組み合わせ
最終的に一つの作品を完成させると言う過程で生まれるドラマは従来の文化系部活ともまた違う
まったく新しい視点の青春モノに仕上がるのではないでしょうか。

また、それらの過程の中でかつての先人たちがどのように工夫を重ねて来たか等の
温故知新的な魅力を描ければよりドラマの重厚さを底上げできるであろう、と
そう言う期待を第一話に込めました。