お話を拝読させていただきました！

シーンの見せ方が映画のようで、すごく読み応えのあるお話でした。
冒頭では彼女や母親の表情もわからないようになっていて、主人公視点で世界がどう見えているのかが伝わってきました。無人の車を見つけた後の、自転車のタイヤが空回りしている音だったり、衝動に任せて投げたスマホの割れた画面が何とも言えない悲壮感や孤独感を感じさせていて、映像を観ているような感覚でした！「周りに誰もいない」ことが孤独感を出すのはもちろん、そういった言外の描写で雰囲気を出せているところがとても素敵だなと思いました。

また、主人公の生活の解像度が高く、リアルすぎて永良の家族や晴香ちゃんに申し訳なくなってくるくらい、物語に強い感情移入をして読んでおりました。気だるい感じのメッセージアプリのやり取りだったり、パソコンに隠れて授業中にスマホを触っていたりなどの細かな描写が、「ありそう！」の嵐でした。（「置き傘」というワードを久しぶりに耳にして懐かしい気持ちになりました。）

すごく丁寧な作画で、物語の構成も面白く、素敵な作品でした！描いてくださり、ありがとうございました。