第7回『NOVEL DAYS 課題文学賞』
 結果発表!! 

 

◆優秀賞  （賞金1万円）

サヨナラだけは、遥か彼方
Ｕ太

 

選評

第７回課題文学賞へのたくさんのご応募ありがとうございました。

今回の課題は「駆けだしたくなる話」。抽象的でありながら、その衝動性により強いイメージをもつ課題でした。皆さまがさまざまに紡ぐ「駆けだしたい」気持ちを楽しく読ませていただきました！

なかでも大賞に選出された『サヨナラだけは、遥か彼方』は、心情と「駆ける」という行為の関係性を多角的に表現している点が秀逸な作品でした。また、ことば選びや語調によって感情が直に流れこみ、まさに「駆けだしたくなる」読み心地です。ラストのひとことによって加速する甘酸っぱい読後感にもたいへん惹かれました。Ｕ太さん、おめでとうございます！

次回、第８回課題文学賞も皆さまのご投稿をお待ちしております。

 

★佳作

キミと重力を行く 円目 旭

「キーホルダー」や「キャップ」といったアイテムの使い方がお上手です。テンポのよい会話に表れる、とめどない時の流れと溢れ出る友愛に惹かれました。彼らが共に駆けだす背中を見守りたくなります。

 

驟雨　 御門 計

にわか雨の描写に青春のとまどいと疾走感がバランスよく表れています。未来を見つめるまっすぐな心情表現が清々しく、読んでいて気持ちのよい作品でした！

 

虞美人草 　あらら

臭いものに蓋をし続けた主人公が最後には自分と向き合えた読後の爽快さが鮮やかでした。主人公が嫌いな田舎というものの陰鬱さの表現が上手く、感嘆しました。

　

衝動的ランニング 　日月烏兎

走ることで荒くなる呼吸のリズムが、少女の感情の吐露とマッチしていました。文章の呼吸を感じ取り、世界観に落とし込むことがお上手です。

 

以上となります。
たくさんのご投稿、ありがとうございました！