第９回『NOVEL DAYS 三題噺バトル』
 結果発表!! 

 

◆優秀賞  （賞金1万円）

狭間の恋
ねぎ

 

選評

第９回三題噺バトルにご投稿いただきありがとうございました。

　「隙間」「煙草」「観葉植物」というお題は生活の中で各々目にはするけれど連想して考えることの少ない単語だったかと思います。物語の中でどう組み込まれているのかに、参加者の皆様の日常が垣間見れるようでとても面白く拝読しました。

　『狭間の恋』においては「隙間」というお題自体を舞台設定とし描いた点が俊逸でした。また、「観葉植物」と「煙草」という単語がなければ始まらなかった関係に、お題の必要性があり、この三題噺でしか生まれ得ない物語だと感じました。優秀賞おめでとうございます！

第10回も皆様の紡ぐ物語にお会いできるのを楽しみにしております！

 

佳作

惜しくも受賞には至りませんでしたが、ぜひとも読んでほしい作品を紹介します。

 

花の勲章　ムバ

　主人公と「友人」が、それぞれに想いを抱えている姿が愛おしくキュートで心が温まります。登場人物の正体がきちんと語られるので、読み返しても楽しめる作品です。

 

大事なものは　小山内裕

　じっとりとした曇り空や雨上がりのカラッとした爽やかさなど、様変わりする天候を主人公の心情に合わせて描いている点が巧妙です。また、「煙草の匂い」と「観葉植物」とが対立した立場に置かれていますが、違和感がなく筆の上手さに感嘆します。

 

満たされるということ　Anthony

　主人公と若い男が、互いに心の「隙間」に入って寂しさを埋める姿が温かい気持ちになります。「不幸にする気」とまで言いつつも、これから幸せになれそうな未来を想像できる展開が最高です。

 

君を煙に巻く　kota1211

　サークルの先輩と後輩というシンプルな関係を読者の”好き”が溢れるように描いている点が見事です。「観葉植物」をきっかけに語られる二人の愛の違いも魅力的でこの先も読みたくなります。

 

以上となります。
たくさんのご投稿、ありがとうございました！