デビュー済みであることに素直に納得する完成度でした。2話とも面白く読ませていただいています。

第1話はご自身で指摘されているとおり、王子こと叶田くんの描き込みが不足していたように見受けられました。「外見が完璧なせいで、それ以外も完璧なことを求められてしまう」王子の屈託のようなものがもっと見られたら、読む側ももっと作品世界を楽しめたように思えました。

一方で第2話は、イケメン鈴木くんについてトリックを利かせて見せてくれたので、再読したときに発見もあり、繰り返し楽しめる作品に仕上がっていると思います。ただ18ページ目で先輩がふうかに対して自分への告白を促す言動をしており、そのまま話が進んでいるのに不自然さを感じました。自分が先輩を好きだという思いはバレてはいけない、とあれだけ力説していたのは何だったのかという。

主人公・ふうかが「いじられる」のはおそらく理由があり、それが作中でも少しだけ言われているように「バカ」であることなのだ、というのならば、先輩の正体に気づかないことも含めて整合性はつくと思います。
ですが、作中ではふうかのバカぶりが明示されていないので、そう解釈するのは現状では困難です。このあたり、読んでいてもったいないと感じていた次第です。

いろいろと申してすみません。すでに「読ませる」話は作れているので、あとはキャラクターの行動原理というものをもっと突き詰めて突き詰めて描いてくだされば、さらに上のレベルへ行けるのではないかと感じています。
ご投稿、ありがとうございました！