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中学生

やま

★56 3,853

最新話公開 2020年06月14日 第1話公開 2020年06月14日

中学生が銃を拾ったお話です

もくじ

  • 第1話

    公開日:2020年06月14日

    ★7

編集者メッセージ(新着)

  • 自分は愚かな他人とは違う、やりがいなんて非効率だ、
    自分だけが人生の勝ち方を知っている、物事の本質を自分だけは知っている。
    読んでいてまず私の傲岸不遜な、斜に構えることがカッコいいと思っていた学生時代が思い返され耳が真っ赤になり、
    銃を有賀に渡して以降、展開の読めないドライブ感に心がざわめきました。
    青少年ならではの肥大化した自尊心を、実銃という文字通りトリガーを使ってみずみずしく描いた物語、
    読み終わったあとはひとしきり、なんて没入感だ、
    どうしたらこんな心のどす黒い部分を刺激する物語が紡げるんだ、と勝手に感動してしまいました。
    一度やまさんとお話させてもらいたいです。

    2020/07/01 20:39
  • ご投稿ありがとうございます!
    ご自身でコメントしていらっしゃるとおり、要約するならば中学生が拳銃を拾っただけのお話ですが、これだけ読ませる筆力に脱帽しました。
    個人的にはこの『中学生』が醸し出すリアルな日常の空気感には、ハロルド作石先生の『ゴリラーマン』や北野武監督の『キッズ・リターン』といった名作漫画、名作映画に覚えた感慨と同じものがあったのですが、淡々としながらも読み手をどんどん引きこむ力は、もう十二分にプロとしてやっていける域に達していらっしゃると思います。

    掛け値なしに面白い作品なのですが、強いて言うならば、芸達者、芸に溺れるという言葉があるように、40ページ超えということもあり、この淡々さが次第にやや単調さも包含してくる印象もしましたので、中盤から終盤にかけて、はっとさせるようなこれまでと調子の違うコマ割りなど、ほんのちょっとだけ着崩すような演出を取り込まれてもいいように思いました。

    そういう細かい調整は決して容易ではありませんが、この佳作を描かれたやまさんならそれもできる方だとお見受けします。

    2020/06/18 05:33
  • すばらしい作品のご投稿ありがとうございます。
    いや凄い、凄まじいです。

    まだ未来が見えないゆえに、
    怒りや不条理や不満足を薄いガラス容器に内包した思春期を送る少年たちには
    それを発散するか我慢するかの二択しかない(と思い込んでいる)んですよね。
    その脆さと危うさをじわじわと思い出しながら、どうか道を踏み外さないでくれと祈りながら夢中で拝読しました。

    「読者に指を突き出す作品」と僕は呼んでいますが、つねに「キミはどうだ?」「キミならどうする」と問いを迫られている感覚になりました。


    「取り返しのつかない事件を起こしてしまった若者と僕達は、たった1mmくらいしか変わらないのではないか。ともすれば、偶然が重なって何らかの加害者になって〝普通の人生〟ではなくなってしまっていたかもしれない」。
    そういったことを『僕たちがやりました』の連載前に原作者の金城宗幸先生と語り合ったことを思い出しました(そしてそれが作品のテーマになりました)。

    作品に込めようとしたものを遺漏なく読者に伝える技術が、やまさんには充分あると思います。
    この方向性を研ぎ澄ませていっても、逆にもっといろんなジャンルに挑戦してもいいと思います。
    いずれにせよ今後も今と同じ姿勢で、堂々とすばらしい作品を描いていってほしいと願います。

    2020/06/16 14:05
  • 静かに鳥肌が立ちました。淡々とした筆致の中に、思春期の少年たちの仄暗い欲望や葛藤、青くささが滲み出ていて、ページをめくる手が止まりませんでした。
    特にいじめられっ子有賀君の使い方が秀逸でした。最初は「テレビか漫画で覚えたような台詞を自分のものみたいに言う」と主人公が見下していた有賀くんが、誰でもない自分の意思で髪を切り、銃を突き返し、自己を獲得していきます。
    この物語の真の主人公は有賀くんなのではと感じました。

    そしてネーム力も素晴らしかったです。実はコマ割りは少し短調で同じような見開きが続いているのですが、それを忘れさせるくらい台詞回しが上手く、無駄ゴマも少なくテンポ良く読める工夫を感じました。
    やや詩的なモノローグも、絶妙な言葉選びで読みやすく配慮されていますね。

    絵柄も雰囲気があって個人的に好きです。ネームと絵柄が相まって、トータルでの作品の個性が明確に見て取れました。
    欲を言えば、もう少しキャラクターの表情に感情の機微や激しさを表現できるようになると、グッと作品の奥行きが増すと思います。作風全体が「静」の印象なので、そこにうまく「動」をアクセントとして加えられるようになると、もっと魅了的な漫画になるのではないでしょうか。

    もっともっとやまさんの作家性、見えている世界を知りたいと思いました。是非一緒に作品作りがしてみたいです。
    イブニングはジャンルにとらわれない幅広い作品が掲載されている媒体なので、興味あれば一度お話ししてできると嬉しいです。

    2020/06/15 19:04
  • 派手な演出はありませんが、洗練されたカメラワークとセリフ回しで、読者を飽きさせないための工夫が一貫して感じられました。コマ割りも丁寧で読みやすかったです。地に足がついた設定で、言葉を選ばずに言えば目新しさのない設定にもかかわらず、ここまで読者を引きつけ最後まで読ませる力量は素晴らしいですね。

    後半の有賀君の行動は読者の予想をいい意味で裏切り、柏木の思惑通りにならなかったことで爽快感を覚えました。自分より格下だと思っていた有賀君に「あの銃は返すよ」と言われてしまったとき、柏木はある種の心の敗北を喫したのだと思います。この時の有賀君の表情は、柏木には真似できないであろう”いい表情”をしていました。この顔を見せつけられた際の柏木の心情は、察して余りあります。

    この一件をきっかけに少しずつ変わっていくであろう柏木の人生と、知らぬうちに他人を変えた強さを持つ有賀君の人生を想うと、すがすがしい気持ちになります。中学生の空虚な日常を、スリリングに描いた完成度の高い作品だったと思います。

    課題としては(長所でもあるとは思うのですが)演出が淡々としすぎているという部分でしょうか。読者の気持ちを盛り上げるためにも、恥ずかしがらずに堂々と、読者の感情を揺さぶる演出に挑戦してみてください。本作で言えば柏木の気持ちの変化は、もう少し具体的に描いてもよかったのではないかと感じました。個人的な感想です。この終わり方だからこそよい、という感想もあるとは思います。

    絵柄に関しては人の自然な動きが描けていて、しっかりと演技をさせられているのがよいですね。ただ、キャラクターの瞳の表情は(演出面での意図があるとはいえ)味気なく感じるので、全体的にもう少し印象強めに描いていただけると、より多くの人に目を止めてもらう作品になるはずです。

    この度はご投稿いただき、ありがとうございました。

    2020/06/15 18:14
  • 有賀くんが席を立ってから「こっからどうなっちゃうんだ…!?」とドキドキしました。P.41-42の主人公の行動の不穏さも良かったです。

    「中学生が銃を拾う」というシンプルな設定ながら、生徒間の上下関係のリアルさや、淡々とした台詞回しに引き込まれてしまいました。やまさんの会話力は今後大きな武器になると思います。

    同時に、現状読後感が少し小説っぽいところがあります。モノローグやセリフでキャラの心情を語ってしまっている部分が多いので、絵だけで心情を語れるシーンが出てくると、やまさんの才能はさらに伸びると思います。

    ぜひ一度お話を聞かせて頂けると嬉しいです。よろしくお願い致します。

    2020/06/15 00:28

編集者メッセージ(いいね)

  • 派手な演出はありませんが、洗練されたカメラワークとセリフ回しで、読者を飽きさせないための工夫が一貫して感じられました。コマ割りも丁寧で読みやすかったです。地に足がついた設定で、言葉を選ばずに言えば目新しさのない設定にもかかわらず、ここまで読者を引きつけ最後まで読ませる力量は素晴らしいですね。

    後半の有賀君の行動は読者の予想をいい意味で裏切り、柏木の思惑通りにならなかったことで爽快感を覚えました。自分より格下だと思っていた有賀君に「あの銃は返すよ」と言われてしまったとき、柏木はある種の心の敗北を喫したのだと思います。この時の有賀君の表情は、柏木には真似できないであろう”いい表情”をしていました。この顔を見せつけられた際の柏木の心情は、察して余りあります。

    この一件をきっかけに少しずつ変わっていくであろう柏木の人生と、知らぬうちに他人を変えた強さを持つ有賀君の人生を想うと、すがすがしい気持ちになります。中学生の空虚な日常を、スリリングに描いた完成度の高い作品だったと思います。

    課題としては(長所でもあるとは思うのですが)演出が淡々としすぎているという部分でしょうか。読者の気持ちを盛り上げるためにも、恥ずかしがらずに堂々と、読者の感情を揺さぶる演出に挑戦してみてください。本作で言えば柏木の気持ちの変化は、もう少し具体的に描いてもよかったのではないかと感じました。個人的な感想です。この終わり方だからこそよい、という感想もあるとは思います。

    絵柄に関しては人の自然な動きが描けていて、しっかりと演技をさせられているのがよいですね。ただ、キャラクターの瞳の表情は(演出面での意図があるとはいえ)味気なく感じるので、全体的にもう少し印象強めに描いていただけると、より多くの人に目を止めてもらう作品になるはずです。

    この度はご投稿いただき、ありがとうございました。

    2020/06/15 18:14
  • すばらしい作品のご投稿ありがとうございます。
    いや凄い、凄まじいです。

    まだ未来が見えないゆえに、
    怒りや不条理や不満足を薄いガラス容器に内包した思春期を送る少年たちには
    それを発散するか我慢するかの二択しかない(と思い込んでいる)んですよね。
    その脆さと危うさをじわじわと思い出しながら、どうか道を踏み外さないでくれと祈りながら夢中で拝読しました。

    「読者に指を突き出す作品」と僕は呼んでいますが、つねに「キミはどうだ?」「キミならどうする」と問いを迫られている感覚になりました。


    「取り返しのつかない事件を起こしてしまった若者と僕達は、たった1mmくらいしか変わらないのではないか。ともすれば、偶然が重なって何らかの加害者になって〝普通の人生〟ではなくなってしまっていたかもしれない」。
    そういったことを『僕たちがやりました』の連載前に原作者の金城宗幸先生と語り合ったことを思い出しました(そしてそれが作品のテーマになりました)。

    作品に込めようとしたものを遺漏なく読者に伝える技術が、やまさんには充分あると思います。
    この方向性を研ぎ澄ませていっても、逆にもっといろんなジャンルに挑戦してもいいと思います。
    いずれにせよ今後も今と同じ姿勢で、堂々とすばらしい作品を描いていってほしいと願います。

    2020/06/16 14:05
  • 有賀くんが席を立ってから「こっからどうなっちゃうんだ…!?」とドキドキしました。P.41-42の主人公の行動の不穏さも良かったです。

    「中学生が銃を拾う」というシンプルな設定ながら、生徒間の上下関係のリアルさや、淡々とした台詞回しに引き込まれてしまいました。やまさんの会話力は今後大きな武器になると思います。

    同時に、現状読後感が少し小説っぽいところがあります。モノローグやセリフでキャラの心情を語ってしまっている部分が多いので、絵だけで心情を語れるシーンが出てくると、やまさんの才能はさらに伸びると思います。

    ぜひ一度お話を聞かせて頂けると嬉しいです。よろしくお願い致します。

    2020/06/15 00:28
  • 静かに鳥肌が立ちました。淡々とした筆致の中に、思春期の少年たちの仄暗い欲望や葛藤、青くささが滲み出ていて、ページをめくる手が止まりませんでした。
    特にいじめられっ子有賀君の使い方が秀逸でした。最初は「テレビか漫画で覚えたような台詞を自分のものみたいに言う」と主人公が見下していた有賀くんが、誰でもない自分の意思で髪を切り、銃を突き返し、自己を獲得していきます。
    この物語の真の主人公は有賀くんなのではと感じました。

    そしてネーム力も素晴らしかったです。実はコマ割りは少し短調で同じような見開きが続いているのですが、それを忘れさせるくらい台詞回しが上手く、無駄ゴマも少なくテンポ良く読める工夫を感じました。
    やや詩的なモノローグも、絶妙な言葉選びで読みやすく配慮されていますね。

    絵柄も雰囲気があって個人的に好きです。ネームと絵柄が相まって、トータルでの作品の個性が明確に見て取れました。
    欲を言えば、もう少しキャラクターの表情に感情の機微や激しさを表現できるようになると、グッと作品の奥行きが増すと思います。作風全体が「静」の印象なので、そこにうまく「動」をアクセントとして加えられるようになると、もっと魅了的な漫画になるのではないでしょうか。

    もっともっとやまさんの作家性、見えている世界を知りたいと思いました。是非一緒に作品作りがしてみたいです。
    イブニングはジャンルにとらわれない幅広い作品が掲載されている媒体なので、興味あれば一度お話ししてできると嬉しいです。

    2020/06/15 19:04
  • ご投稿ありがとうございます!
    ご自身でコメントしていらっしゃるとおり、要約するならば中学生が拳銃を拾っただけのお話ですが、これだけ読ませる筆力に脱帽しました。
    個人的にはこの『中学生』が醸し出すリアルな日常の空気感には、ハロルド作石先生の『ゴリラーマン』や北野武監督の『キッズ・リターン』といった名作漫画、名作映画に覚えた感慨と同じものがあったのですが、淡々としながらも読み手をどんどん引きこむ力は、もう十二分にプロとしてやっていける域に達していらっしゃると思います。

    掛け値なしに面白い作品なのですが、強いて言うならば、芸達者、芸に溺れるという言葉があるように、40ページ超えということもあり、この淡々さが次第にやや単調さも包含してくる印象もしましたので、中盤から終盤にかけて、はっとさせるようなこれまでと調子の違うコマ割りなど、ほんのちょっとだけ着崩すような演出を取り込まれてもいいように思いました。

    そういう細かい調整は決して容易ではありませんが、この佳作を描かれたやまさんならそれもできる方だとお見受けします。

    2020/06/18 05:33
  • 自分は愚かな他人とは違う、やりがいなんて非効率だ、
    自分だけが人生の勝ち方を知っている、物事の本質を自分だけは知っている。
    読んでいてまず私の傲岸不遜な、斜に構えることがカッコいいと思っていた学生時代が思い返され耳が真っ赤になり、
    銃を有賀に渡して以降、展開の読めないドライブ感に心がざわめきました。
    青少年ならではの肥大化した自尊心を、実銃という文字通りトリガーを使ってみずみずしく描いた物語、
    読み終わったあとはひとしきり、なんて没入感だ、
    どうしたらこんな心のどす黒い部分を刺激する物語が紡げるんだ、と勝手に感動してしまいました。
    一度やまさんとお話させてもらいたいです。

    2020/07/01 20:39

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