主人公の情報をはっきりと明示しないことで、徐々にそこが明かされていく展開はミステリとしては王道なのかなと思うのですが、漫画の場合、人となりがはっきりしない分、その主人公の行動を追っていこうと思わせづらいはずです。ですが、5ページや7ページなどのちょっとした抜きで入ってくるギャグの部分で、そこをうまく埋めて、読んで追っていきたいキャラクターとして描けていると思いました。そこがとても素晴らしいと思います。シリアスなシーンでも36ページの4コマのようなちょっとしたボケが入っているので、またここでも主人公を好きになれるように思います。
彼女の「お母さんの死体を見つけたい」「それをもとにして真実を世間の目に晒したい」という動機でいうと、どことなく「お母さんの死体を見つけたい」のほうが大きいというか、心情的に理解できる分、若干彼女が動機を語るシーンがわかりづらくなっているように感じた点もありました。
ただ、読み切りとしてとてもおもしろく読者を驚かせ楽しませたいという意識が伝わってきます。U4さんの悩みがどのようなものか、ぜひ一度お話を聞かせていただけないでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。