驚くべき設定を飲み込ませながら、一気に読ませてくれる佳作だと思います。
あと一歩、と感じたのは、地獄で恋愛が可能かどうかという点が明かされていないところです。どちらの設定でもいいので読者に開示する前提にしてくれたら、もっと掘り下げて面白くできたのではないか、とも思った次第です（翔は地獄で初恋をしないのか、など）。
それでも、このページ数にアイディアを詰め込んでくれるのは、読者に誠実に向き合おうとする姿勢の表れだと感じました。
キャラクターも、作者自身が愛せる人物像はどんなものなのか、しっかり表現できていると思います。あとはこの先、そのキャラクターにどんなことをさせ、どんなことを達成させたいのか、しっかりと考えながら描く作業の反復で、どんどんと先が開けてくるのではないかと感じました。楽しみにしております！