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『それはDAYS NEOから始まった』#10『クロウマン』夜光虫編を公開! (2022.03.03) マンガ

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マッチング型マンガ投稿サイト「DAYS NEO」への投稿から連載に繋がった作者の作品を紹介!! 

作品のどこに惹かれてオファーを送ったのか? 「担当したい!」と思う作品とは? 

今回はヤンマガWebで連載中の『クロウマン』の作者夜光虫さんのDAYS NEO投稿作品ネーム『“陰陽師”誕生秘譚 雷牙-RAIGA-』(雨野燕名義を紹介!

連載立ち上げの経緯を担当編集者に語ってもらいました! 担当オファーを申し込んだ編集者はヤングマガジン編集部の柴田さんです。

 

<ヤングマガジン編集部 柴田さん>

担当作・プロフィールはこちら

 

夜光虫さんの投稿を初めて読んだときの印象

才気溢れる人だな、と思いました。

これまでとこれからの人生がうっすら想像できるくらいに、キャラクターの個性が際立って生き生きとしていて、すぐにお声がけしなきゃ、と思ったことを覚えています。

とりあえずコメントをした「雷牙」を読んだあと、もうひとつアップされていた「なにわベリーブルース」を読んで、謎が解けたというか、より才能のかたちがわかった感じがしました。こちらは現代日本の地方が舞台なのですが、その土地から生まれてきたことがすごく伝わるキャラたちで、これはすごいなと。

どちらもすごく尖った作品で、作者自身の強いエネルギーや本能のようなものを感じて、お話するのが少し怖いくらいでした(笑)。実際にお話してみたらすごく面白くて誠実な方でした。

すごい才能を持っているけど、尖りすぎた才能を商業連載の箱に収めることがこれまで上手くできていなかったのかな、というふうに思ったので、自分が手伝うべき部分は最初から想定しやすかったです。

 

 

ネームのどのページに惚れた?

「このページに惚れる」という感覚は、実はあまりなかったです。というのも、アクション的な見せ場は中々個性が強くて一般的には読みづらいものだったので、ここは好き好きかなーという感覚で読んでいました。

印象的で摑まれたのは、過去回想で描かれた、主人公兄妹のエピソードでした。

 

「強い兄が弱い妹をないがしろにしていたけど、実は兄が強い理由は妹が呪いを引き受けてくれていたからだった」というのが明かされるエピソードなのですが、人の感情をすごく揺さぶれる関係性を本能的に心得ていて素晴らしいな、と思いました。他の投稿作でも、そういった「落差」をとても自然に作品の核においていて、すごく感心しました。また、端々に描かれるギャグ的な場面も楽しめて、こういう細かいところでセンスが合わないと、のちのちお互い苦痛になったりするので、ちゃんと笑えるものでよかったです…(笑)!

もうひとつ、術を使えないと悩む妹に、主人公兄が「必要ねー」「俺がいる」と言うシーンも、グッときました。会話だけ見たら割とよくあるものかなと思うんですが、結構大事な決め台詞を言う場面で、兄にそっぽを向いて淡々と呟かせていたところがよかったです。

「自分を誇らない」ということがキャラクターに徹底されていて、この人のかっこよさについての考え方(=美学)に共感できるなあ、と感じました。

 

投稿作品:『“陰陽師”誕生秘譚 雷牙-RAIGA-』(雨野燕名義

 

 

DAYS NEO投稿作品のどこを見ている?

編集者は作品ではなく作家を担当すると思っていますので、投稿作品の奥にある“作家性”を見つけようと意識しています。

ですので、たくさん投稿作があったり、受賞歴を記していたり、SNSのリンクがあると、個人的にはありがたいです。

そのうえで、これから担当として一緒に連載作品のヒットを目指していくことを想定した時に、「この作家さんに対してどういう仕事ができるだろう」ということを第一に考えています。投稿作品のクオリティの高い低いを判断しているわけではなく、仕事相手として、自分がその作家さんの問題をどう解決できるかを基準に見ています。

仕事相手として、「共感できる美学」を持っているか、ということも大事だと思っていますので、投稿作品には作家さんそれぞれが「善し」と思うものを詰めこんでくれたら嬉しいです。

 

 

マッチングから『クロウマン』連載立ち上げまでの経緯

最初に打ち合わせをした際に、虫さんがいくつか連載構想のある企画を持っているとのことで見せてもらった作品のひとつが、「ブラックバード」という、今の「クロウマン」の原型になる作品でした。
その時点でアイデアが面白かったですし、次は連載しかないだろうと思っていたので、すぐに連載へ向けて打ち合わせを始めたと思います。
1話の構成などは連載版と大きくは変わらず、「変態ヤクザに少女が連れて行かれる」という話なのですが、主人公が「いちご」ではなく、名もないか弱い少女でした。エピソードもまだなく、急に連れて行かれてしまった子、という感じだったと思います。
その時に「感情を揺さぶるものをちゃんと入れましょう!」「読者が読むポジションをつくりましょう!」というお話をしてたんですが、「なにわベリーブルース」という投稿作品の主人公「いちご」のキャラクターがすごく好きです、という話の流れで、そのキャラを持ってきたらよいのでは? という結論に至り、強くて茶目っ気に溢れているけど悲劇に見舞われてしまう、今の「いちご」が生まれました。
単純に「いちご」がいいキャラだった、というのもあるんですが、「いちご」というキャラはすごく夜光虫的だったんです。「いちご」のように、虫さん本人もすごいファイティングスピリットを持っていて、ユーモアがあって、関西弁なので(笑)、「いちご」はとてもしっくりくるキャラでした。
そこからも1~3話はかなり打ち合わせを重ねて、長い時間をかけて今の形に落ち着きました。

 

 

『クロウマン』

借金地獄で底辺だけど、母子ふたりでたくましく生きるりんご(母)といちご(子)。だけど、いちごが"とある組織"に目をつけられたことで、ふたりの賑やかな日常はぶっ壊れるーーー。

奇才が描き出す、まだ誰も見たことがない奇想天外の伝奇アクションです!

1話を読む

 

 

担当編集が語る『クロウマン』の魅力

まずは、一人でも多くの方に1話を読んでいただきたいです!

どうしても感情が揺さぶられてしまう、エグい悲劇が描かれているのですが、主人公のその先の人生を知りたくなってくれると思います。

そして、そんな酷い世界でもたくましく鮮やかに生きるキャラクターたちが超かっこいいです。『クロウマン』に登場する人たちは、みんな底辺だったり、欠陥があったり、馬鹿だったり、貧乏だったりしますが、みんな美学があってかっこいいです。

「悲劇的な運命を持ってしまった底辺の人間が、どうやったら幸せになれるか」というところがテーマの一つでもあるので、キャラクターそれぞれの行く末を楽しみにしてください!

とにもかくにも、まずは1話をどうぞ!

 

クロウマン

夜光虫

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ヤンマガWeb連載ページ

 

作者紹介

夜光虫

漫画家。ヤンマガWeb連載『クロウマン』でデビュー。

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マンガ投稿サイト「DAYS NEO」は作家と様々な雑誌の編集者との出会いを応援します!! 
コンテスト企画も随時行っていますので是非ご確認ください!!

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