物語の導入として、とてもよくできていると思います。
特に大胆なコマ割りとハッタリのきいたセリフが印象的で、とても引き付けられました。
また、討論というテーマは堅苦しく動きもないので、
漫画のテーマとしてあまり魅力を感じられないのですが、
この作品では、キャラの掛け合いも面白く、
作者が描く討論を読んでみたい！と期待が高まりました。
唯一惜しむべきは、他の方も触れていますが、台詞が多いところでしょうか。
同じ内容でどれだけ短く、かつキャラの個性を出した台詞にできるか。
それを意識できると、もっともっとよくなると思います。
続きも期待しています！

非常に面白かったです。
読者にミスリードをさせて驚きの展開が続く構成は、
19歳の、しかも3作目の作品とは思えない完成度でした。
構成の凄さばかりに目がいきがちですが、
個人的には、2ページ目と3ページ目の導入部分がとても印象に残ったというか、
この導入があるおかげで、
後半部分でもクロユリというキャラの個性を失わずに読めました。
ただ、逆に言えば、構成の面白さを優先させて、
キャラクターの魅力が犠牲になっている部分もあるので、
次はキャラクター同士が違う価値観同士をぶつけ合うような作品も読んでみたいです。
次作も期待しています！

他の作品も拝見させていただきましたが、とても惜しいなーという印象です。
絵のセンス、特にキャラを魅力的に見せるセンスはとても高いです。
ただ、画面がごちゃごちゃし過ぎて分かりにくく、もう少し引いた画面を入れて、状況を絵で説明することを意識した方がよいと思います。
また、吹き出しや絵をコマからはみ出させる描き方も、多用しすぎると効果が薄くなってしまいますし、次に読むべきコマが分かりにくくなるので、使い方をもう少し考えてみましょう。

最後の二人の笑顔がとても良かったです。
ストレートに感情が伝わってくる表情を描けるのは宮野さんの武器だと思うので、ここをどんどん活かしていってください。
ただ、タツヤがアンナを褒め続ける台詞が、これ言われて本当に嬉しいのか？という気もするので、言われるとウザいけど、でもちょっとうれしい、みたいな台詞にできるともっとよかったな、と思います。

彼女が普段見せるぶっきらぼうな言動と、メガネをかけたときの可愛らしい笑顔のギャップにやられました。
天然な彼女に翻弄される山田くんの姿も可愛いかったです。
二人でメガネを買いにいくエピソードとか、周りの人から見た最近の二人とか、もっといろんな話を読んでみたくなりました。

1ページあたりのコマ数が多めなのですが、
ゴチャついているようで読みやすいコマ割りや面白い構図、
ラフに描かれた絵からも、
全体的にセンスを感じさせる作品でした。
ただ、台詞が多いので、
もう少し整理できるともっとよくなると思います。
あと、ラストが力尽きてしまったのか、
突然終わる感じになっているのが残念でした。
ラストの描き方ひとつで作品の印象はガラッと変わるので、
次作はそこを頑張ってほしいです。