少しずつ状況が分かるのと引き換えるかのように新しい謎が増えるという仕掛けに
とらわれて、読むのを止められなくなりました。

「表紙の絵を描いたら物語が浮かんできた」とのことですが、
全貌を考えずに描き始めたのでしょうか？
この世界がどうなってるのかを、作者と一緒に発見していくような感覚になるのが、
その描き方のせいだとすれば、
かなり奇跡的なバランスで効果を上げていると言えるんじゃないですかね。

絵も話が進むほど上手くなっています。

いま、めちゃめちゃ続きを読みたい。

一番いいと思ったところは主人公のキャラクターです。
万人受けする感じではないかもしれないのですが、
僕は心地よく感じました。
他人との距離感が絶妙といいますか、
関りを拒否してはいないものの、他人への期待は無い。
なかなかハードボイルドな女性像です。

性を即物的に描いているところも
主人公との相性が良く、効果的に世界観を作りあげています。
ただ、そのせいかどうか、エロさは少ないと思いました。
下品にならないようあえて自主規制しながらお描きになっているのかもしれませんね。
だとするならば、その自主規制を10％くらい緩めても下品にはならないと思います。
そして、万人受けへ一歩近づくことになるかもしれません。
万人受けを善しとするかどうかはわからないですが。

頑張ってください。