山田hamekon様
はじめまして。
月刊少年マガジン編集部の市原と申します。
『魔界にただいま』、拝読いたしました。
面白く、カッコよく、素晴らしいラスト――。
非常に完成された作品だと感じました。
誰が何と言おうとそう感じてしまうので先に言及しますが、
藤本タツキ先生からの影響というのは確かにあるはずです。
そして私が先生の大ファンなので、その部分での欲目みたいなものは
もしかしたらあるのかもしれません。
しかしそれを差し引いても、文句のつけようのないストーリーでは
ないでしょうか。
非現実の物語ですが、説明不足でついていけないところが全くなく
(逆に若干説明しすぎかな、と感じるところはありました)、
登場人物の気持ちも、読者の気持ちも、そのストーリーの流れに
しっかり付いてこさせることができていたことが何より
素晴らしいと思っています。
人間界と魔界の狭間にケルベロスを繋ぎとめ、
人間界を捨てて生きていく二人のあっけらかんとした幕引きは、
読後の爽快感を生み出していたと思います。
そして魔人たちのデザイン、最高です。見事です。
もっと見たい、と思わされました。
特にケルベロスの大ゴマは迫力満点のおぞましさでした。
カラス版ケルベロス(ナベリウス?)なるものがいるのですね。
それだけでなく手を模したようなデザイン、
序盤のカラスも伏線だろうと思います、
(そのあたりも藤本先生っぽいといえばそうですが)
好きなものを追求し、理想形に近づけようという姿勢が見え、
好印象でした。
課題としては、人物の表情と動きを挙げます。
表情は、もっと大げさに、見えやすく描いていただきたいです。
髪が重なって表情を隠し気味になっているコマが多かったように
思います。
キャラの愛嬌や人間味を読者に見せ、好きになってもらうための
魅せ方をより研究していただければと思います。
そして動き。躍動感あるシーンの描き方に問題はないと思います。
むしろ細かい動きをより繊細に、動線がわかりやすいように描ければ、
よりスムーズに読めるようになるのではないかと思います。
たくさん書かせていただき、長文になってしまいましたが、
私の思いを汲み取っていただけますと幸いです。
ぜひ一緒に漫画作りをしたいです。
担当希望を出させていただきますので、直接お話する機会を
いただけますと、たいへん嬉しいです。
何卒よろしくお願いいたします。
2024/05/23 18:09