第2回『NOVEL DAYS 三題噺バトル』
 結果発表!! 

 

 

◆優秀賞作品 （賞金1万円）

羽化
髙橋 十五

 

 

選評

第２回三題噺バトルにご応募いただきありがとうございました。　「休日」「月」「隣人」という今回のキーワードは物語に組み込みやすいからこそ、描くのに難航したかと思います。皆さんのそれぞれのキーワードに対する着眼点の違いが前回よりも如実に表れたバトルで、楽しく拝読させていただきました。

　中でも『羽化』は「月」を概念として捉えたところが他に類を見ない作品でした。　5000字という短い文章の中で語られた登場人物たちの半生に、ショートフィルムを見終えた後のもの悲しさのようなものが立ち込めました。

　他人事ではなくなり、物語と自分との境界線が曖昧になるこの感覚はひとえに作者様の文章力の賜物だと思います。受賞おめでとうございます！

第3回以降も皆様の物語にお目にかかれることを楽しみにしています！

 

 

佳作発表

 

ベンチに二人
青井優空

冬の寒々しい空気の中、特に何をするわけでもなくたまたま出会った二人の会話が何故だかとても温かくて「何かが始まる予感」に魅せられました！

 

 

ロッシュ限界を超えた夜
bisuko

お題ありきのお話で、それぞれのキーワードの使い方がとても上手でした。多くない文字数の中に二人の近くも遠くもない関係性がしっかりと描かれていて素直に心に入ってくるのが気持ちがよかったです。

 

月姫様と餅つきうさぎ
岸端 戌梨

「かぐや姫」の前夜譚としては予想外のお転婆な姫様でその発想にハッとさせられました。月うさぎと国王の関係も確立されていて、姫を心配する二人の親心がとても可愛かったです！

 

eighth
絵空こそら

最後の瞬間、暗転した画面に「カラン」とグラスを合わせる音だけが響いているような映像が脳内に流れ込んでくるほどに終わり方の綺麗さが際立っていたので選出させていただきました。

 

気付きの月
宮島荘永

「夜に昼の光を浴びている」というよく考えると不思議なことの発想から物語が構成されていて、月というお題に対しての焦点の当て方が他にはない使い方でした！