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  • 拝読させていただきました。おばあさん怖すぎでめちゃくちゃドキドキしながら楽しませていただきました。

    人物作画がとてもお上手なので、人外的な化け物ではないのに表情や構図で恐怖や子細なニュアンスまで伝えられているところが素晴らしいと思います。特におばあさんの皺や手つき、笑顔なのに気持ち悪く感じられるところなどは下書き時点でゾッとしました。そして斧を持って登場するシーンはホラー映画の盛り上がりが実際に感じられて、きたきたきた!と内心喜んでおりました。

    ネーム運びもとてもお上手で、読みやすく、見せるべきコマの強弱がしっかりと意識されているのではないかなと思います。

    僭越ながら気になる点も申し上げますと、話の理屈の方が少しわかりづらかったように思いました。「自由にやってね」というワードが逆転する形で、大人と子供の対立のような部分を描かれていると思うのですが、パニックホラーとして王道を行く話とその理屈部分が別々な面白さになってしまっている気がしました。理屈なく襲ってくる部分がホラーの面白味で、理屈部分がドラマとして宙に浮いているように感じられました。

    理屈をつけるならば、たとえば、主人公の過去で大人に自由にやってくれと言われて割を食ったというような話があって、それゆえにトラウマになっていて…などの背景があるとキーワードとして効いてきたのかなと思います。もしくは逆に、今まで「言ったとおりにやれ」と言われ続けていた主人公が、はじめておばあさんに「自由にやって」と言われて心を許したら、実はそれこそが罠だった…というような形でも良いと思います。

    せっかくスプラッターおばあさんの素晴らしいアイディアがございますので、主人公との関係値でそれがどんな人物なのかをより深掘りするか、もしくは全く話の通じない圧倒的に恐ろしい存在としてのパニックホラーにするか、どちらかに傾けた描写をすると、さらに完成度は高まってくるかもしれません。

    ただ、作品全体としてのレベルは非常に高く、老若男女を描き分けて、表情のグラデーションも豊かに描かれており、とても魅力的な力をお持ちだと感じました。

    よろしければ月刊少年ガンガンやガンガンONLINEに向けて今後作品づくりをご一緒できればと思い、担当希望を出させていただきました。もしご興味がありましたら担当希望を受諾いただけますと幸いです。どうかよろしくお願いいたします。

    2023/01/20 17:08

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