編集者メッセージページ

  • 読ませていただきました!

    小気味良いテンポが一貫して流れており、読み手を意識して描かれてらっしゃるのが伝わりました。過不足のない状況説明とドラマから、主人公がゲームへ身を投じる決意を固める運びもシンプルで、どんどん物語に入り込んでいけました。兄妹の仲の良さを見せるシーンも、些細な一コマながら来栖さんのサービス精神が伺えます。ストーリー漫画の論理からして、1話目の構成は理想的だと思いました。

    デスゲームは昨今のトレンドの1つでありますが、トレンド故に似たものが多くて食傷気味になりやすいのが難点です。

    このジャンルの肝は「いかに新しい恐怖を提供できるか」だと考えますが、失踪した母親との樹海での邂逅はまさに衝撃的で、かつゲーム内容への謎も掻き立てられ、非常に高い水準にあると感じました。

    もうひとつステップを上げるためには、主人公がゲームに参加する経緯等で個性を出せるといいかもしれません。これは他の方がコメントされているようにキャラクターの深掘りに繋がると思います。

    妹のために危険なバイトを繰り返す優しい兄。主演俳優としては少し印象が痩せています。

    もしかして彼には家庭環境のせいで諦めてしまった夢があったのかもしれません。親戚からはこの兄妹は見放されているのかも。同じくらいの歳の子が友達と楽しそうにしているのをふと見つめる描写があるだけでも、読者と彼との距離はぐっと縮まるのではないかと思いました。

    キャラクターを分厚くすることで、来栖さんの表現したい世界観がよりシャープに読者に伝わるはずです。
    続きも期待しております。

    ぜひ一度お話しさせていただきたいです。担当希望させてください!

    2018/07/14 16:07
  • 素晴らしく読みやすかったです。
    連載経験があるだけあって、語り口も巧みで、物語がどんな方向に向かうのか、というのがすぐにわかる1作だと思いました。
    作品を読んでも、来栖さんが、とても真面目てよい人だというのが伝わってきます。

    その一方、真面目に作られれた作品のため、テンションが一定で、驚かされる要素が少なく感じます。

    自分を含めた読者がマンガに求めることは
    1.びっくりすること
    2.テンションがあがること
    にあると思います。

    この題材はデスゲームなので、題材だけで読者をびっくりさせることは難しい。
    となると、キャラクターと、ゲームのルールやガジェットでびっくりさせるのが良いのかな、と思います。

    どんな主人公であるか、が一番の問題になってくるのですが、この人ならでは魅力をだすために、「主人公のだらしなさ」を描けると、良くも悪くも個性が出ると思います。

    人のだらしなさはいろいろとありますが、妹の養育費を使い込んでしまったりしても、それはそれで物語が予想の範疇を越えていくと思います。
    また、お母さんのキャラクターをもっと聖人のように書いておけば、さらに2話のインパクトが上がると思います。

    そういった、ダメなように見せかけて頑張り屋、よい人に見せかけて悪い、など、人間のギャップを描くと、もっと良い作品になると思います。

    とても才能が有ると思いますので、頑張ってください!

    2018/07/05 17:11
  • 圧倒的な読みやすさ。「プロ経験があるから」と言ってしまえばそれまでだが、そう簡単なものではない。なぜならプロでもここまで読みやすくない漫画はいくらでもあるのだから。
     言うまでもないことだが、漫画は今後ますます苦しくなる。ネットの無料コンテンツ(多くは動画!)と戦わねばならないのだから。「読みやすさ」というのは、今後漫画が生き残っていくうえで、実は最も重要な要素のひとつだと思う。動画と比べたときの漫画の最大の強みは「読み手が時間をコントロールできること」だからだ。1時間の動画は消費するのに1時間かかるが、漫画はその時間を読み手が自由にコントロールできる。そのコントロールの決定的なキーになるのが「読みやすさ」だ。ストーリーテリングの能力も含めて、この人の読みやすさ、コマの運びは素晴らしいと思う。
     器は素晴らしいのだから、あとは中に何を入れるのか、という話。「中身こそ問題だろ!」 と言われればその通りなんだけど、まずは器がないと始まらないので、やはり器が素晴らしいのは素晴らしいことだと思う。
     今のところは話もキャラもステレオタイプすぎると思う。もちろん、それは言いかえれば「受けやすい」ということなのだが、これだけ器がしっかりしているのだから、いくらでも冒険していいと思う。「今の受け線とは違うけど、俺はこういうのがスキなんだ!」というキャラなりテーマなりをぶつけてみてほしい。特にキャラに関しては、「もし現実世界でリアルにいたら、絶対に困った人」みたいなタイプのが魅力的な主人公になったりもするものだ(飛雄馬とか北島マヤとか)。ネタにしたって「そんなものが受けるわけないだろ!」と言われるものこそが次代のトレンドをつくるのだ。「ゲゲゲの鬼太郎」だって最初は「妖怪なんて気持ち悪いもの受けるわけない!」と散々言われたという話を聞いたことがあるぞ。まあ、何が言いたいかと言うと、とにかく思い切って時代に風穴を開けるような野心的な作品にトライしてほしいということです。年寄りなのでいろいろ例えが古くてスマン!

    2018/06/27 16:00
  • ご投稿ありがとうございます!
    さすが連載経験者だけあり、圧倒的読みやすさですね。
    2話目のラストは予想を超える展開で期待感ありまくりでした。
    そこに至るまでのおよそ60ページに、何か「この作品だけのもの」を加味していくことで、もっと読者を惹きつけることができると思います。
    そのひとつとしてキャラクターがあります。
    現状、主人公が「その環境/状況下であればそうするだろう」という言動を取るので、どうしてもキャラクターの面で印象に残りにくい感じです。
    「その環境/状況下でそうするの!?」と読者に思わせるような人間であってほしいなと思いました。
    たとえば『カイジ』がすごいところは、1話目でカイジのクズキャラが際立ち、2話目で利根川のキャラが際立ったからだと思います。
    そのあたりを意識してみて、キャラクターを掘り下げてみてください。
    そのキャラたちに、来栖さんの思い描く「展開」をぶつけていけば、一筋縄でいかない、唯一無二の物語となりえると思います。

    2018/06/26 14:32

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