編集者メッセージページ

  • 魔女を介護するという冒頭の導入がとてもキャッチーで、どんなお話なのかドキドキしながら読み始めることができました。

    ただ、主人公の動機については納得はできるのですが、負の感情に拠っているため共感し、応援することができませんでした。仄暗い感情があっても、他人に迷惑をかけていなければ受け止めることができるのですが、神社を燃やすのは完全にアウト。「この放火で人が死んだりする可能性は考えないのかな…」という気持ちが出てきてしまい、同情できる過酷な家庭環境を勘案しても、彼女の味方にはなれないなと思ってしまいます。

    主人公を無神論&現実主義者という設定に変更するというのは、そういったとっつきにくさを回避するという意味もあると思います。あとは「街の謎」より「主人公の抱えた闇」のほうが気になってしまい、話の主軸がブレてしまうというのもあるかもしれません。

    腥子をそのままの設定で出したいのであれば、彼女を主人公にするのではなく、彼女を第三者的に見ることができる語り部を主人公にする方法があると思います。例えば腥子に想いを寄せていたが、それを打ち明けることもできず、地元に残らざるを得なかった男--などはいかがでしょうか。復讐のために地元に戻ってきた腥子をなんとか止めるという方向でドラマを作ることができるように思います。(もちろん、こちらの作品を三嶋さんがどのような方向に持っていきたいのかは想像でしかないので、この案はあくまで思い付きです。好き勝手言ってすみません)

    読み切りとしては、描きたいテーマをもう少し絞り込めると良いかもしれません。反面、いろいろと描きたいことがあるのだろうな、ということは伝わってきました。こちらのネームはアドバイスをすでに受けているとのことで、おそらくどこかしらの編集部さんとやりとりをしている最中のものだと思いますが、よい結果になるといいですね!

    この度は、ご投稿いただきありがとうございました。

    2019/11/05 18:43

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