編集者メッセージページ
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投稿ありがとうございます。
まず、面白かったです! 最後まで楽しく読ませていただきました。
この作品の面白い点・素晴らしい点は、すごくざっくり言うと2つぐらいに大別できるかなと思います。
まずひとつはテーマ性です。
「正義」というテーマ設定と、それを体現する主人公がとても明快で、見ていて誰もが興味を持ってしまう、「我が事」として受け止めることができる作品になっていると思いました。
主人公の感じるジレンマに、読んでいて強烈に共感できて、とても没頭してしまいました。
そして、それを伝える漫画力が高も! 1ページの、作品最初の一言目で、どんな作品なのかをほぼ正確に予感させてくれたのがとても心地よく、真っ直ぐ読み進められました。すごく読ませるテーマだと思います。
もうひとつ優れている点は、サスペンス性かと思います。
西野さんの父親の登場から一気に物語がドライブしていくのですが、ここからのドキドキ感がとても素晴らしかったです! ちゃんとそこまでのページが、読者がなんとなく違和感を覚えるフリになっているので、「主人公が悪かった(かもしれない)」というひっくり返しがバッチリ刺さりました! また、「翼」というキャラクターが物語のアクセルをグイグイ踏んでくれる面白い子で、このキャラの登場で担当希望しようと決めました。こういうドライブ感が出せる才能は、本当に稀少だし、読者をちゃんと楽しませられる方だと思います。
とにかく続きが気になります…!
もちろん、それ以外にも、コマ割り・構図や会話の上手さ、女の子のかわいさ、とにかく読みやすい点など、江渡さんの作家としての力を感じさせる部分は多々あったのですが、この作品から感じられたストロングポイントは上記2点だと感じました。
どちらも、ちゃんと読者に響く(売れる)力になると思います。
気にした方がいい点としては、上記2つのまとめ方というか、接続のし方だと思いました。
マガジンの安友さんのご指摘が鋭いな、と思ったのですが、主人公と翼の対立点は微妙に異なっていますよね。主人公は正義のためにかなり過激なこと(住宅侵入とか)をやってしまっているやつであり、方法論の話ではなくて、おせっかいそのものが正しくなかった、ということを突きつけられていたんだと思ったのですが、翼は違う問題を持ち込んでいるように思いました。
そこで本来グッと引き込まれるはずのサスペンス要素の引きつけが足りなくなってしまったというか、「超展開」になってしまって読者を少し引かせちゃったところがあるのではないかと思います。
フリ⇒回収⇒次のフリ…と展開していくのがサスペンスの基本カナと思いますが、ちゃんとその軸はブレさせないように意識すると、読者を離さずに読ませられると思います。
江渡さんのcomicoでの作品なども拝見して、サスペンスやひっくり返しが好きで得意な方なんだな、という印象を受けました。非常に今の時代に強い才能だと思います!
ぜひぜひヤンマガで作品づくりとそれを届けるお手伝いがしたいなと思いました。
何卒宜しくお願い致します!
2021/09/29 19:34 -
正義と正義の衝突の話!でしょうか。コンセプトがズバッと理解できる、素晴らしい1話目だと思います。
主人公は大人から見れば少し子供っぽいですが、高校生ということを考えれば等身大といえるでしょう。まっすぐな性格なので応援したくなりました(1話目にして心を折られかけてますが…)。西野さんも可愛らしく描けているので、主人公が庇いたくなる気持ちも理解できます。本屋帰りの「ぺこり」という別れの挨拶の仕方に、彼女のキャラがよく表れている気がしました。手を振るとソデが下がって体の傷痕が見えるから、ああいう控えめな挨拶になるのかも…というのは深読みしすぎでしょうか。
ラストも非常に興味を引く展開で、続きが気になります。主人公が自らの正義を貫くため翼と対立することになるのか、それとも父親の「正しくあれ」という父親からの呪縛から解き放たれダークな展開に流れ込んでいくのか、ドキドキしますね。
ひとつだけ惜しいと感じたのは、翼の登場が唐突すぎるように感じたことです。伏線として前半に少しだけでも出しておいた方がよかったような気がしました。西野さんに対する偏愛を抱いているようですから、突然現れた主人公が西野さんに馴れ馴れしく接しているのを見て、まったく接触がないというのは少し不自然に思います。
とはいえ読者の気持ちを上手く誘導する巧みな演出力を感じる完成度の高いネームでした。今後、どのような作品をお作りになりたいのかお話をうかがってみたく、担当希望を出させていただきます。
この度は、ご投稿いただきありがとうございました!2021/09/28 17:26 -
初めまして!
ご投稿ありがとうございました。
作品を拝見いたしまして、江渡さんは強い「言葉の力」を
お持ちだと感じました。
特に13ページの「気を遣うより自分の身を守らなきゃ」というセリフが
とても印象的でした。
ただ、残念だと思ったのはセリフの量が多く、文字の大きさも同じページがいくつかあり、大事なセリフが上手く画面に浮き上がっていないと感じたことです。
また、正義とは何か、と問いかける読み応えのある話だとは思うのですが、
題材にキャッチ―さがないので読者に手に取ってもらうまでが課題かと思います。
上述した点も含めて、是非一度作品についてお話をさせていただけないかと思っております。
担当希望を出させていただきますのでご一考いただければ幸いです!
よろしくお願いいたします。
2021/09/28 17:41 -
ネーム拝読しました。
まずは主人公の設定がとにかく良かったです!
父親の影響で正義を執行しなければいけないという理想と
強迫観念を抱いている主人公の言葉や行動を読んでいると、
胸の奥がヒヤヒヤしてきて、とても強く興味が湧いてきます。
主人公のキャラクターって誰の心にも「住んでいるキャラ」だと思うので、
とても自分ごととして楽しむことが出来るキャラクターだと思います。
次に、後半に出てくる翼ちゃんのキャラクターもとても良かったです。
読者をとにかく驚かせてやろうという野心が込められていてとても好きです。
ルックスも華があって大変いいです。この作品の中心人物だとひと目で分かるのも
素晴らしいですね。翼の正義を読者に問いたいですよね。
翼の正義のありえなさ、絵空事さ、だけど否定しきれない部分を、読者にスリリングに楽しんでもらえる作品になるといいと思います。
ネームの改善点としましては、
序盤から、どっちが北村でどっちが西野なのか、少し読んでて分かりづらかった部分がありました。
こちらは、序盤に具体的なイジメシーンが描かれてないから、割愛されているからだと思いました。しっかり描いたほうがよいシーンだと思いますので、読者を掴むつもりで
描いていただけたらとより良くなると思います。
また、後半、翼が西野の父親を殺す部分ですが、
「殺人」が起こったことで、
題材が「イジメ」から「殺人」にがらっと変わってしまった印象を受けました。
これによって、テーマである「正義」が、「強者が弱者をいじめる」「弱者が弱者をいじめる」ことの「是非や正義」から大きく脇にそれて、戻ってこれない懸念があります。
(「ひぐらし」のように、殺人をリセットするアイデアがあればもちろん、問題有りません!)
ストーリーの先、未来に「殺人」があること、過去に「殺人」があることは良いと思いますが、1話目で主要キャラが殺人を犯すことは、題材が入れ替わってしまうので、
避けたほうがよいかもしれませんね。2話目を非常に難しくしてしまうと思います。
イジメを題材に、正義を問いながら、あくまでもエンタメ作品を目指している姿勢が
とても良いと思います。
担当希望します。紙の雑誌よりWEB媒体があっていると思いますので、
マガポケでの連載を目指して一緒にがんばりませんか?
よろしくお願いします。
2021/09/29 17:41 -
テーマが明確で普遍的で、非常に考えられさせる作品でした。この48ページでは収まりきらない、連載で突き詰めたいくらいの内容です。
この作品は、リアルに基づいた世界観でテーマをじっくり追求していくか、あるいはひとつ明確な嘘を混ぜたファンタジー設定を足して(デスノートのような)、端的に派手にテーマを追求していくやり方があると思います。現状、翼の存在がどっちつかずで、どういうテンションで読めばいいか読み手を混乱させる可能性があります。その辺りを整理したいと思いました…!
(また、主人公の正義感の暴走がこの結果を招いたことをもっと明確に演出したほうが良いと思います)2021/10/06 22:32