オーバーラインへのメッセージ

ページをめくりたいのに、破滅の予感でめくりたくないような、重く素晴らしい作品です。
丁寧な心理描写で、伝えたいメッセージがずしりと伝わってきました。
ドラマを通じて主張を伝えるということができる時点でもう漫画家としての資格があるステージに立てていると思います。

ストーリーに関して。「凍った川」が唯一の非戦地域であり、かつ時間が過ぎていく演出が施されているので、川が溶ける季節が訪れたときに2人はどうなっていくんだろうという予想で読み進めましたが、今回はそういうストーリーではなかったですね。どちらがいいということはありませんが、凍った川のままであるならば、数日間の出来事にするだけでも上述の予想は抱かなかったかもしれません。

キャラクターに関して。
本作はドラマ重視であったのでこの配役で良いと思いますし、「ふさわしい」セリフやリアクションができていたと思います。できれば記憶に残るキャラクターが出てほしいなという欲も抱きました。
将来連載をしていく気概であれば、
記憶に残り語られるキャラクター作りが必要となってくると思います。
あえて「ふさわしくない」(=物語に流されない&人間性の出る)セリフやリアクションなどにも気を配ってみてください。

期待しています！